だから、まるで魚が水面を跳ねるように/ホロウ・シカエルボク
故かそうしなかった、そこになにか知るべきことがあるようだと感じたからなのか、あるいは幼いころから宿命的に眼球に刻み込まれた癖のせいなのか、それは正直に言ってよく分からない、だけど結果的に良かったのか悪かったのかと問われれば、たぶん良かったんだろうと答えるだろう、生きる道は無限にあれど選べるのはどうせいくつかでしかない、ならばなおのことそうだろう、そこから良かったと言えるだけのものは汲み取ったという自負があるわけだ、もちろんこんなことそんなに声高に話すつもりもないけれど、一通り現象が繰り広げられ、ほとんどのものは一度きりで飽きてしまった、飽きてしまわないもののことは初めから疑いもしなかった、だからま
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