柘植の枝で叩く/竜門勇気
こえる
壊れたラジオが電源が入ったままほったらかしだ
振り上げたままそれを聞いていた
うなだれる
振り下ろす
念入りに、ちゃんと死ぬまで
ああ、こんなことなら今日こそ少しはラジオのことを考えればよかった
どうしてこの日にこんなことに
昨日まともな気分になっていられれば
今日こんな風になってなかった
”じかんです”
そんなことはどうでもいいんだ
「じかんです」だ?
誰の時間だ?僕に関係あるのか?
関係あったとして僕たちになにか命令できるのか?
でもまあ潮時だ
高らかに鳴らそう
盗んだし奪った
誰にとってもそうみえる
僕もそう思ってる
柘植の枝を振り下ろすんだ
固くて曖昧なものを
誰よりも柔らかく確実に
自分を処刑するときはこうするしかないだろ?
時間です
すべてが時間になる
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