故郷/
静
帰りたくあり、戻りたくなく
混沌とした感情が生まれてくる
蓋をした闇が視線を塞ぐ
変わってしまったもの
変わってはいけなかったもの
変えることができたもの
変わらずにいてくれたもの
悍ましさも優しさも総て包む
友らは幸せになれただろうか
人並みの気持ちを与えてくれた
その恩に報えるかは分からないが
遠くからでも何時でも祈る
例えもう二度と会えなくても
この胸の痛みの底が心の在処と
教えられたあの時代に想いを馳せて
ミラーの眩しさに眼を滲ませる
戻る
編
削
Point
(3)