出発点(水飴と溺れた蟻)/あらい
 
純粋に満ちた彼らにとって、未来だけが希望だった。
         (まだかわいいものだが、)真実なのだ

      渇き枯れ果て、母なる海を腐らせる、

(苦しみも悲しみも知らない、)おぞましいほどの?と知る
(乗り合わせただけの)  わたしはそこに浮しているのだ
(自然の摂理といえば) なあ、モウトウにラクヨウなのだ
       
  頓服の切れた愛想笑いでは、無邪気なままの山襞は

          毬のように弾む、
 鮮やかな色彩もすでに、はるか遠い場所で
           湖に移るものを見送る。
         だれひとり振り返ることなく。
瞳に
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