無色透明ノ硝子キューブ /あらい
 
ドもなにもかも

 水増しされたスウプの上澄みでしかないというのに

                夢も見ないほどに
                    底に亘る
          手巻き式オルゴールの 
          せせらわらい、
         絶えず澱み濁り。
         姿を留めている 

      流れは 饐えた銃口に抗えない
     取り除かれた みずたまの いちぶ

 瑞々しい緑青の苔に 腰をおとした、
             わたしたちの秘奥とは
 ここは どこかへ ゆく、
      なにいろにも みそめる。
            造花の窖へ、御機嫌よう
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