無色透明ノ硝子キューブ /あらい
寝そべる蕾たちの白々しい艶消しにふらついて
誰も彼もがモザイクタイルの朝な夕なに心奪われる
発色の良い風景に溶け込む
低俗なあぶくの零れ噺ばかり
何処までも跳んでいけるのだと
(だまされたいのち)
黙って、のぞいてごらんよ
悪趣味な茨を穿いた、
腐蝕した魂は未だ臙脂の月とうつろい、
共色を求め彷徨っているようだった。
(慎ましくこじんまりとした聖職者のよう)
削ぎ落とされた執着を未練ものこさず光と散る
堂々とたるプライドも
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)