なんじゃらほい/ただのみきや
 

「猿まねしやがって
「このブタ野郎!
「ああっ女王様!
「いいじゃないか人間だもの
「しかたがないね動物だから





記号カースト

「どうしたら詩人になれるでしょうか 」

「なるほど呵責なく自己陶酔に浸るための免状として
世間からも認知されているという記号が欲しいわけですね 
荷物につける荷札みたいなやつを」





そんな秋・?

しずくは太陽を灯し
叢にちらばっていた
車の窓をひとつ叩き
行ってしまった雀蜂
路の先に開かれた山
深い空を湛え
樹々の色味の総和に
瞳はつめたい旗のよう
手探りしている
傍にあったはずの何か





雨一粒だけ

風の枕にうつらうつら
七草に
数えられないその草の
あっても呼ばれぬ名



                 《2021年10月16日》













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