ゆらぐ/坂本瞳子
だいぶ痩せてしまったみたいだ
指輪がゆるくなるなんて
我慢をしているつもりはないのだけれど
気持ちには嘘をついているかもしれない
不安に思うことは多々ある
笑顔はできているだろうか
自分に自信がもてない
信頼しているつもりだけれど
指輪がゆるくなったということは
はずすべき時がきたということ
誰かがそんなことを言っていた
いつのことだか思い出せないけれど
そうしようとは思うのだけれど
本当にそれでいいのだろうか
ゆるい指輪はいまも
くるくると回り続けている
戻る 編 削 Point(1)