詩の日めくり 二〇一七年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
下に落ちただけでも
ぎょええっ
って驚く人間なのだ。
毎日が脅威と奇跡の連続なのだ。
きょう
ぼくの小人の住んでるところがばれそうになった。
あ、小人と違って
恋人
いや、恋人と違って
浮気相手だから、愛人かな。
気をつけねば。

浮気っていえば
前に務めていた予備校で
浮気をしたことありますか
って女の子に訊かれて
ちょっと躊躇したけど
嘘言うのヤダから
あるよ
と言ったら、それまで
ぼくに好意を寄せてくれていたその子が
それから、ぼくを軽蔑するような目つきで見るようになって
口もきいてくれなくなって

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