詩の日めくり 二〇一七年十三月一日─三十一日/田中宏輔
幸せの上に小幸せをのせて
その小幸せの上に微小幸せをのせて
そのまた微小幸せの上に極微小幸せをのせたら
みなこけて、粉々に砕けて、ガラスの破片のように
ギザギザに先のとがった危ない怖い小さな幸せになりましたとさ。
おじさんの上に小さいおじさんをのせて
その小さいおじさんの上にさらに小さいおじさんをのせて
またまたさらにさらに小さいおじさんをのせても
サーカスの演技だったので、まったく普通の拍手ものだったわさ。
おばさんの上に大きいおばさんをのせて
その大きいおばさんの上にさらに大きいおばさんをのせたら
そのさらに大きなおばさんの上にもっともっと
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