詩の日めくり 二〇一七年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
に自分のひとつひとつの記憶をたどること。
これまた、若いとき以上にじっくりと取り組める事柄だと
ぼくなどは、同じ話を何度も語りなおすタイプなので
そう考えています。(我田引水気味でしょうが。)

そういうふうに同じことを語りなおすことによって
思い浮かべなおすことによって
いまの自分が、自分の気持ちが、生活が
新しい目で眺められるようになって
豊かになったような気がすることがあります。

齢をとって、いいことの一つですね。
そういう豊かさを持つことが出来るのは。
時間を隔てて眺める
その時間が必要なのですね。
その時間に自分も変わっていなくて
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