暇つぶしによる暇つぶし/帆場蔵人
僕は非常階段から建物のなかに戻ってきた。ちょっと休憩に煙草を吸いに出たのだけれど、変なオッさんの声が路地の暗やみから聴こえてきたからだ。何を言っているのかわからなかったが、バイト先の先輩によるとこのビルで投身自殺があったそうだ。まぁ、路地まで降りなければ害はないらしい。そう言えば、今日はジャン・プの発売日。呪術海鮮は海老マヨ・シャケが熱い、あ!ハンターの二乗さん再開したんだ。僕はジャン・プを路地に投げ込んでみた。だけど、ハンターの二乗さんは翌週、予想通りに休載していたからポエム好きおじさんはまだあの路地で遺書を推敲している。
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