詩の日めくり 二〇一七年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
でいないけれど、訳がすごくいい。原文がいいからなんだろうけれど、いまんところ、W・C・ウィリアムズにささげた詩がいちばん好きだ。


二〇一七年十二月十九日 「日付のないメモ」


街が降る。
雨のなかに降る。
屋根や階段や
バルコニーや廊下が
音を立てて
雨のなかに降る。


二〇一七年十二月二十日 「あなたがここにいて欲しい」


 いま日知庵から帰ってきた。帰り道、頭のなかで、ピンク・フロイドの『あなたがここにいて欲しい』がずっと鳴ってた。そいえば、ぼくの詩は、ずっとイエスの『危機』や『リレイヤー』や、ピンク・フロイドの『原子心母』や『狂気』とい
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