詩の日めくり 二〇一七年十二月一日─三十一日/田中宏輔
文字の形をペンでなぞり、手と目という肉体を通して、ぼくのこころに
刷り込まなければならない。学ぶ才能が乏しいぼくかもしれないから、
繰り返し書きうつすことが必要だ。引用のみによる作品をつくっている
ときには、はげしく書きうつしている。
たくさんの経験から少ししか学べないひとがいる。少しの経験から
たくさんのことを学ぶひとがいる。前者のタイプに、ぼくがいる。
本からも、会話からも、考えることからも、ぼくは学ぶ能力が乏しい。
これは、ぼくが、ぼくよりはるかに学ぶ能力のある友人を持っている
から言うのだ。後者のタイプに、ジミーちゃんがいる。ぼくより読んだ
本の
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