夢明列車より/津煙保存
 

あすへ かえりたい

         。

 明けの星
 大きな鳥が舞う 静かな街
 ぼくは飛び乗ったのだ
 
 正しいものを、正しい答えを、正しい何者かを、
 真実を探して、答えを求めて、道を歩き続けて、
 
(空は遠く石膏の目をしていたけれど)

 
 駅を過ぎ、乗客たちと向かい合い、
 行くべき場所へ、ボストンバッグ一つで、
 読めない本を忍ばせ、ぼくは鉄路を通過した。

(いくつかの駅と列車と乗客たちとすれ違いながら)


 顔が赤く染まり、他人の視線を避け、身を隠したくなる。
 避けることはできない。クロスシートに潜もうと。
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