抱きしめて/
ひだかたけし
あまたの声が木霊する
陽炎のように消えゆく前に
それらの声を抱きしめる
遠い地平と波打つ黄金
わたしは彼らと交わった
消えゆく前に、消えゆく前に
もう一度だけ抱きしめて
黄金に輝く陽炎を
果てない球体から追いかけて
何処か遠くで刻まれた
遥かな懐かしさに眩めいて
垂直に降り注ぐ声、声、声
連弾される記憶の奥
繋いだ手と手のぬくもりを
そっとしっかり抱きしめて
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