生きていく意味/
静
覚えたての洒落た店で
二人語り合った彼方の夏
店と同じくらい世界は窮屈で
幼き日に閉じたはずのもの
貴方とだけ開きあった
瑕疵のない時間を感じ
無自覚な心の裂痕も錆びすらも
この刹那の為だったと叫んだ
そんな日々が生まれの謂れで
滅んでいくとも露知らずに
以来幾つもの時が過ぎ
心の氷河が溶けては痛み
上手く行き先を示してくれない
あがいても報われぬ沼に
生きていく意味をまた問いかける
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