二十歳の呟き/板谷みきょう
 
はあったにしろ
偶然の重複に因り 無から有になったにすぎず
不安定な有であるからこそ 必然的に無に到達する
とすると
真の姿が無なのであって 有で在る事は虚像であるのだ
すると存在自体が偽になってしまうのだから
そこで行われる行為全てが
事実だとしても真実ではないのだろう
なのに何故 皆やけに気後れもせず
悪びれもせず生きていけるのだろう


臆病と優しさの勘違い 卑屈な程の思いやり


ざらめ雪に足を取られてしまって 歩きにくくて仕様がない


空しさや切なさや悲しみで 胸が張り裂けそうだ
いっそ 張り裂けてしまえば楽だろうに
やるせないです



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