詩の日めくり 二〇一七年十一月一日─三十一日/田中宏輔
を獲りに出かけるってシーンもあった。
二〇一七年十一月十五日 「アメリカ。」
ノブユキ
「しょうもない人生してる。」
何年ぶりやろか。
「すぐにわかった?」
「わかった。」
「そしたら、なんで避けたん?」
「相方といっしょにきてるから。」
アメリカ。
ぼくが28歳で
ノブユキは20歳やったやろうか。
はじめて会ったとき
ぼくが手をにぎったら
その手を振り払って
もう一度、手をにぎったら、にぎり返してきた。
「5年ぶり?」
「それぐらいかな。」
シアトルの大学にいたノブユキと
付き合ってた3年くらいのことが
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