東京五輪に足りなかったもの/足立らどみ
東京五輪に足りなかったもの
東京五輪が終わった。あくまで個人的な感想だが、どこか記憶に残らない大会だった。いや、記憶を探さないと自然に出てこないと表現した方が適切だろうか。率直に言って、もっと感動すると思っていた。
もちろん選手は頑張っていたし、心が動いた場面もあった。陸上女子1500メートル8位の田中希実(のぞみ)選手は世界のトップ選手に一目置かれる走りを見せ、男子3000メートル障害7位の三浦龍司選手も勝負の仕方が良かった。
なのになぜ、僕の心はそれほど沸き立たなかったのか。むしろむなしさすら残っている。
理由は、大会までの過程だろうか。政府や大会組織委の新型コロナウイルス対策
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