核/ホロウ・シカエルボク
風に舞い道端で煤に塗れるのみか、それは詩か、それは詩じゃないのか、その線引きを決めるのは誰なのか、目に見えるものと見えないものの境界はどこにあるのか、見ることと知ることは同じものなのか、生と死は、上昇と落下は、幸と不幸は、同じ終焉に向かって突き進むのみか、ブリリアントデイズ、高速回転する幾つもの車輪の軋み、交響曲のような軋み、速くなれ、どんどんと早くなれ、もっともっと速く、もっともっと速く、呼吸があるから限界を知ることが出来る、限界は広がる、生を望む限り、命が先を望む限り、その先を知りたい、その先を見たい、その先を見せてくれ、その先を教えてくれ、どこまでも行こう、手に手を取り、だけど遅れたら置いていく、労う余裕はない、人生は速過ぎる、もうこんなところまで来てしまった、歩んだ道のりは焦土だ、だけどそれだけではなかったことは、胸の奥で渦巻く幾つもの痛みが教えてくれる、俺はキチガイで病人でまともだ、誰も俺のことなど決められやしない、一度掴んだものは手放してはならない、たとえそれがブスブスと手の中で猛烈な温度に変わり始めても、どうせ一度の人生、消し炭で終わるならそれもまた良しさ…。
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