海を見ながら/
 
夜虫の声に涼しさを感じながら

宵闇の日本海に車を走らす

水平線が朱に交わりながら

宙は名月の忠節を保っている


寂れた街に生きてきて

定めに逆らおうと声をあげた

そんな時は何時しか終わり

虫の音が闇を埋め尽くしている


月が円運動を刻み続けるのと

同じ諦めを胸に覚えて

運命を越えるべく抗った過去を

丁寧に海に洗い流していく


新しい眺めが広がることを祈っている

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