だいぶダイブ / ある女の子篇/末下りょう
クソ溜めでも進むしかない。
ティーンだったわたし、ブルーカラーの髪に黒ぶちのダテ眼鏡。
パンクス気取りのしがないガール。
ガムテでぐるぐる巻きにしたコンバースにレッドタータンチェックのボンテージ。
バンTと、スタッツフェチの友達と着回したライダース。
お金があってもなくてもヴァイナルやラバーソウルを物色して、クラブに入り浸ってた。
ヘタなバンド組んだり解散したり、グルーピーになったり、でも基本いつもひとりだった。
毎月ライブスケジュールを欠かさずチェックして、それが人生の予定表だった。
スタッツフェチの友達が妊娠した冬の夜、ロンドンからツアーに来てた
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