茄子の花/
そらの珊瑚
晴れた日の海のような青
遠い島まで泳いで行けそうな空
台風の落としものを拾う子ども
背中には
期間限定の羽
台風が去った朝に
台風の行方を考える
身軽なようでいて
実は
ひとりでは何処へも行けない台風の身の上
それもまた
不自由でいて
自由だ
しいん、と澄んだ庭先で
薄紫の六つの花びらが空を見ている
命は
静かに密かに灯り
何処かで小さな風になった今日と
無邪気に交信している
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