例え過ぎ去っても/静
過ぎ去っていく暮らしの中で
腕の中で抱き締めた匂いは
色褪せぬ記憶とともに生きている
作られた魂に染み渡る気持ちに
名前をつけられずにまた季節を終えた
誰しもが痛みとともに心を溶かしていった
いつだって僕達は息苦しそうだった
どうしようもなく傷つくのを隠せず
その日を生きるのに精一杯だった
愛されたいと願うことがやめられなかった
それが終わったのは何時からだったろう
例えもう会えなくなったとしても
切実な痛みとともに貴方の今を想う
そんな気持ちの存在に戸惑いながら
惨めすぎる自分の心を抱き抱えて
戻る 編 削 Point(1)