秘名 降りつもる色/
木立 悟
いた無数の羽が
星と同じ方へ消えゆく
錆びた水の夜明け
花々 ひとつの花
水しぼる光
鏡に落ちるひとつの火
なかばひきちぎりながら
午後を次へとめくるとき
途切れ途切れに来た夜を
白い雲の群れが覆うとき
涙と薬が混じって流れ
耳に 口に 首に流れ
降る色を抄う手は泣いて
滴に逆さに映る陽を見る
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