詩の日めくり 二〇一七年九月一日─三十一日/田中宏輔
スウェンを撃って
腰かけて泣きはじめた。
ぼくの見た夢の中の1冊200数十万円もする木彫りの翻訳本の一節。
223万円だと店員が言ったので、本をもとの場所にそっと置いたことを憶えている。
いや、違う。ぼくが裏に書かれた定価を見たのだった。店員は、ぼくが戻した本の位置を正確に戻そうとしただけだったのだ。
二〇一七年九月二十八日 「H・G・ウェルズ」
阪急電車で、いま帰ってきたのだが、送風だけで、とくに冷房も暖房もかかっていなかった。午後10時まえに乗ったときには、蒸し暑かったためにか、冷房がかかっていた。きのう、日知庵からの帰りは暖房だったのにね。気が
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