カゲロウたちは永遠の詩編の中で/ホロウ・シカエルボク
のところで友達は見えなくなりました、おおい、おおいと、喜んでいるみたいに手を挙げて、いま思えばあれはさよならのつもりだったのかもしれません
いくつかの夏には痛みばかりでした、ちょうどこの夏のような
少しずつ皮膚を削いでいるかのようなじりじりとした痛みばかりでした
振り子時計の振り子を見つめているうちに自分自身ではないものになれそうな気がしていた十五、長い廊下の先には巨大な蜥蜴がいて
私たちを飲み込もうと口を開けているのではないかという気がした放課後、ねえ
いつだってこの世界には目には見えぬものが棲んでいるのです
授業中のノートの片隅の空白に、私はいつもそれを見ようとしていた、それに
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