カゲロウたちは永遠の詩編の中で/ホロウ・シカエルボク
手頃な刃物で踝に刻んだ言葉は小さく、それは告白でも独白でもなく
ただただ痛みと、意味と共に在り
どうぞ私の手をお取りください、苦しみと、悲しみに潜む言葉たちの種よ
大衆食堂の裏側、排気ダクトから生活が吐き捨てられている
野良猫たちの会合、彼らはきっと
食事における私たちの、大仰な成り立ちを馬鹿にしているだろう
生ごみ用の、数個の巨大なペールのそばで
ぺったりと道に腹をつけているのはきっと偶然ではないはず
湿地帯で楽し気に駆け回る亡霊、どこか撲殺を思わせる粘度で
蹴り上げた足が泥を撥ねる、彼らはまだ、死の中を生きている
廃車置き場越しに沈む夕暮れ、いくつかの狂騒のシン
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