風に吹かれて/
静
また一つ風が肌を冷やすようになり
心の動きがまた一つ柔らかくなる
ずっとこんな気持ちでいれたらと
日々の動きはそれを赦さぬだろうけど
優しくなりたいと叫んだあの頃
それを裏切る自分を嗜めるように
この風は穏やかに指を通り抜ける
まだやり直せると思わせてくれる
誰かを想うことの素晴らしさを
教えてくれた貴方を喪ったけれども
間違いばかり犯してしまった自分でも
迷いなく貴方を愛せたことを誇れる
この風はまたそんな気にさせてくれる
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