おとぎ話は、いつ始まって、誰が書いて、誰が演じて、そしてなぜ終わらないのか/パワフルぽっぽ
手くそで
書いては消してを繰り返し
そのうちに、
何度も消した場所から
穴があいて
そこからまたあの眼が生まれた
生き物のようにぎょろっとこちらを見て
こんなくだらない物語を
よく書いてくれたなと
そういう
まなざしを送っていた
謝る隙もなく
その文章に配置された文字たちは
あっという間に色を失い
眼だけがそこに輝いていた
そういう光景すら
またこうして書かれていく
わたしはここでも
書き手を演じるしか
自分を保つことができない
ルビー、サファイア、アメジスト、琥珀、シリトン、ガーネット
複製されたダイアナ妃たちが
個々人のスクリーンのな
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