詩の日めくり 二〇一七年八月一日─三十一日/田中宏輔
 

いまのぼくの作風もそうで
もう、計画的につくられた詩や小説なんて
ぜんぜんおもしろくないもの。
よほどの名作はべつだけど。

『源氏物語』のあの長さが、登場人物の性格を
一面的に描きつづけることを不可能にさせてるのかもしれない。

それが、ぼくには、おもしろいの。
それに、多面的でしょ、じっさいの人間なんて。
ふうは、一貫性がなければ、文学作品に矛盾があるって考えちゃうけど
じっさいの人間なんて、一貫性がないでしょ。
一貫性がもとめられるのは、政治家だけね。
政治の場面では、一貫性が信用をつくるから。
たとえば、政党のスローガンね。
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