詩の日めくり 二〇一七年七月一日─三十一日/田中宏輔
況に合わなくなってくることもある。
そういう場合は改正されることになる。
しかし、法のなかの法である憲法にあたる
文法のなかの文法は、言葉を発する者の生のままの声である。
生のままの声のまえでは、いかなる文法も沈黙せねばならない。
超法規的な事例があるように
文法から逸脱した言葉の配列がゆるされることもあるが
それがゆるされるのはごくまれで
ことのほか、それがうつくしいものであるか
緊急事態に発せられるもの
あるいは無意識に発せられたと見做されたものに限る。
たとえば、詩、小説、戯曲、夢、死のまえのうわごとなどがそれにあたる。
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