詩の日めくり 二〇一七年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
まりから死について、それから人生について書かれてあった。さいしょのページを除くと、うなずくところが多くあった。ぼくは自殺を否定しない派の人間だから、さいしょにつまずいた。荒木くんも作品で否定しているだけだろうけれど。完璧な構成だった。唐突なキャラの出現と行動もおもしろい。さいごの場面の建物と歴史のところは、はかない命をもつ人間に対する皮肉というか、その対比も、ひじょうにうまいなと思った。荒木時彦という詩人の書くものが、どこまで進化するのか、見届けてみたいと思う。齢とってるぼくが先に死ぬだろうけど。

 きょうから読書は、レムの『宇宙飛行士ピルクス物語』。レムは、おもしろいものと、そうでないもの
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