お彼岸/宣井龍人
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卒塔婆を飾る花は何を思う
墓石の影に折り重なり寄り添う人々
7年前の貴方13年前の貴男だろうか
歳月は姿なく容赦なく降り積もる
人々はもうすっかり汚れてしまって
絢爛に咲き誇る花々は一時の華
西に大きく傾く残り火に輝く
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高層ビルの病室の夜景は都市部の見慣れたものだ
辛い病の疲れは意識を薄雲から闇に導く
時間と闇の調和の中を
多くの見知らぬ人達の姿や声が往き来する
目の前に幾多の顔が現れ消え現れ消え
親しい友人のように私に話しかけ
答えぬうちに消えていく
意識だけの存在になった私は
再び闇に帰る
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病室で独り
月と太陽を同時に見ていた
興奮
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