いつか声をあげるときに/ホロウ・シカエルボク
あなたは冷たい水に手を浸して、至高の果実はきっと血の混じった奇妙な味がするでしょう、わたしの心は茨の蔓で情け容赦なくくるまれて、わずかな動作で果てしなく食い込む痛みで朦朧とするでしょう、時はもはや意味をなさず、わたしたちは、生存の隙間に落ち込んだものたち、原罪を抱き、やつれ血走った網膜に、燃え盛る炎のような夕暮れを焼き付けたまま、次のペシミズムの理由を貪欲に漁るでしょう、足元は真っ赤なぬかるみ、まるで内臓の上を歩いているようだ、と、わたしたちは思うに違いありません、風は冷たく、なのに不快な湿気を孕んでいて、それはとてつもなく神経を消耗する元凶になるでしょう、讃美歌は不協和音に彩られ、鼓膜は硫酸
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