詩の日めくり 二〇一七年六月一日─三十一日/田中宏輔
時をとめた少女』を読み終わった。ヤングらしくないさいごの2篇がよかった。とくに、さいごに収録されている「約束の惑星」はさいごのどんでん返しに感心した。冒頭の「わが愛はひとつ」はいつものヤング節かな。「妖精の棲む樹」と「花崗岩の女神」は同様の設定だったが、こういう方向もあったのだと、ヤングを見直した。短篇集として、『時をとめた少女』は、5点満点で3点というところか。まあ、普通だったかな。でも、一か所、ぼくが死ぬまでコレクションしつづけるであろう詩句を、「花崗岩の女神」?のなかに見つけた。ひさびさのことで、ちょこっと、うれしい。
「きみの名前は?」(ロバート・F・ヤング『花崗岩の女神』?、岡部宏
[次のページ]
戻る 編 削 Point(12)