踏み切り/
 


もう随分と大人になったであろう
彼を
時々思い出すのだ

もう随分とおきざりにしていた手紙を
こっそり読んでしまう罪

今なにをしているの
時々あなたに問いながら
今は優しいうでのしたにいるからと
言い訳をして

電車の踏み切りで
ビルの屋上で
歩道橋の下で

私達は時々想う死を
今を必死にかみ締めて

電話が鳴るよ
しらないあなたから
過去から
夜が明けても

鳴り止まない雨音を

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