左目 この世の果て/
木立 悟
ら
拡がりつづけるひとつの珠
左目 痛み
永い軌跡
傾き 偏る
縦の銀河
深緑の蝶が
森に降る
葉に溶ける
土に溶ける
鏡は人形
壊され 埋められ
言葉を隠され
金の流れに投げ捨てられる
指と指のはざまを濡らし
雨音だけが遠のいてゆく
虹が分かつもの
近づけるもの
左目 この世の果て
金に 緑に
さらに昇る
さらに巡る
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