ルール/霜天
ルール それを踊る君の背中に貼り付けて 君が気付くまで黙っていようか
崩れそうな足元で 歩き出すことを禁じてみようか 立ち止まれば 立ち止まるだけ
涙の落ちていく滑る頬 涙に映りこんだ月 その一枚 一枚に
震えることを禁じてみようか 届かない ルール
息が出来ないと水の中で 不平不満を掲げているのは
きっと僕らだけではないはずだ
ルール 迷うよりも 泣き出したくなる夕暮れに いつまでも誰かを待っていようか
決めたことを 決めたことと 振り返らずに踏みしめた 告白で
僕らは定めた ルール 忘れ去られそうな手のひらを
いつまでも抱きしめたりしないこと そんな日々の 溶け込み方
扉が開かないと鍵穴の前で 座り込んだ誰かに投げられた視線を
君は忘れてしまうだろうか 遠くなっても 落ちていくだろうか
ルール
縛り付けるような言葉で
君にさよならを告げてみたとして
その背中に手を
振ってくれるだろう か
僕らはそれを
約束しない
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