エアコンの熱風とコンビニの明かり/藤原絵理子
 
都会の蝉は真夜中にも鳴く 
故郷の山は静まりかえっている
耳の奥で通奏低音
ただでさえ寝苦しいのに


あまり暑いと鬱になる
生きていけるのか なんて思う
そして やっぱり生きていたいと思っていることに
慄然とする


昔の優しい母親は
しようがないわねえ の一言で
曖昧にすべてを赦してしまった


太古の神が地下に封印した
パンドラの箱を開けたのは
ほんとうに仕方なかったのか?


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