詩の日めくり 二〇一七年四月一日─三十一日/田中宏輔
自転車で乗り付けたご夫婦の方も、「もう30分ちがうの?」と奥さんのほうが旦那さんに言われたのだけれど、32分になって、ようやくカーテンがくるくると巻かれてつぎつぎと窓ガラスや入口の窓ガラスが透明になっていったので、ほっと安心した。ぼくは、モーニングセットを頼んだんだけど、そのご夫婦(だと思う、ぼくよりご高齢らしい感じ)も、モーニングセットだった。モーニングセットでは飲み物が選べるんだけど、ぼくは、アイスモカにした。パンは食べ放題なのだ。レタスのサラダと、ゆで卵半分と、ウィンナーソーセージ2個がついていた。32分に店内に入ったけれど30分経っても、ぼくのほかにお客さんといえば、その日本人夫婦の方と、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(14)