詩の日めくり 二〇一七年四月一日─三十一日/田中宏輔
ごおいちさん。平静19年4月19日の朝5時13分だったような気がする。そだそだ。朝5時15分だったら、「いくよいく・ごお・いこう」になるのに、あと2分長く生きていてくれたらよかったのになって思ったことを思い出した。父親が亡くなったときの印象は、遺体はたいへん臭いというものが第一番目の印象だった。強烈に、すっぱい臭さだった。びっくりしたこと憶えてる。父親の死は何度も詩に書いているけれど、実景にいちばん近いのは、ブラジル大使館の文化部の方からの依頼で書いた、「Then。」だろう。のちに、「魂」と改題して、『詩の日めくり』のさいしょの作品に収めた。その批評を、藤 一紀さんに書いていただいたことがあった。
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