オリンピックとコロナとわたし/
ただのみきや
く跡形もなく削り尽くすため
その過程を作品と嘯(うそぶ)くのは死の無謬性に耐え切れない
からか凄まじい太陽の求愛に暗黒を摸索し続けながら
蝕から見つめ返す何者かのためにおまえは上品に狂う
だろう獣にはなれずにむしろ混沌の屍を踏みしめる狩
人の透明な釉薬の微笑みで滅んだ歌の墳墓から冷たく
《2021年8月8日》
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