オリンピックとコロナとわたし/ただのみきや
 
涼を狩る

池の青さ
  屏風と扇子

ボタンを外した
   指は行方知れず

アオダイショウ
   そっと跨いで 


墓地へと続く
   坂の木陰

吸った唇
   死者の溜息

遠雷が見とがめる
   朝顔のうなじ

   




スケッチスクラッチ

白いトタン屋根に光が溜まっていた
梢が覗いている
リズムに乗ってハミング
興味なんかないくせに
意味あり気な否定と肯定の振り付けで

運命は信じないけど
自分の現状を肯定することに余念がない
羽根のように軽やかな頭を持つ人

もしくは絶えず笑ってる

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