一次審査のひと/たま
 
で終わらなかった
とにかく、
小学生の詩は面白すぎる
大人さえもついてゆけない、シュールな物語や
豊かな発想に支えられた、確かな詩や
たどたどしいことばで綴られた
生まれたばかりの詩、と呼べるものなど
それらはすべて、詩の宝物なのだと思った
それぞれの詩にひそむ
それぞれの作者の秘密を読み解くことに
わたしは没頭した
小学生部門を担当できたのは幸いであった

字を書くのは苦手だから
二〇編の選考理由をパソコンに打ち込んで
プリントしたものを一作ごと採点表に切り貼りして
ようやく審査を終える
採点表だけを投函すると
応募作品はわたしの手元に残ることになる
作品
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