揺るぎなきもの/
石田とわ
わたしは考える
寂寥について
独り寝について
細胞のひとつひとつに
寂しさや孤独、不安が
住み着いているのだ
それでもなお余りある
溢れんばかりのこの喜びは
どこから来るというのだ
喜びの声はとてもちいさく
時にはその存在を忘れ
孤独に苛まれることもある
けれどわたしの爪の先に
身体中を巡る血液の中にさえ
確実にあるのだ
揺ぎなく存在するのだ
今夜もひとり耳を傾け
眠りにつく
確かな喜びとともに
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