得体の知れない不安/こたきひろし
た
自販機から最初に缶コーヒーを買ってから
温かいポタージュスープ缶のボタン押した
釣り銭は発生しなかった
発生させなかった
缶飲料取り出す前に
俺はさっきの奴と同じ事したくなった
その時
いきなりカラスの鳴き声がした
俺は並んだ自販機の1台1台の釣り銭受けを探った
結果はさっきの奴と同じだった
自販機の隣には現金自動預け払い機が設置されていた
何だか得体の知れない不安を感じた
女はきっと俺の行動の一部始終をクルマの中から見ているに違いなかった
俺は無性に女とセックスしたくなった
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