二十一世紀の日本より愛をこめて/おろはげめがね
さんざめく さんざめく
声や恋に嘘がないように
私の生きてきた軌跡にも嘘がない
秒針を食む心地で叫ぶ
この夏よ 終わるな
生きているだけです きみが好きです
生きているだけできみが好きです
生きているだけのきみが好きです
生まれたんです
生まれたんですね
生まれたんですよ
指の間から溢れる
陽射しや影や風や土の匂いや
絡みつく 雨 雨 雨
その雨がこの世を覆い尽くして
青く輝きだしたら
いつか見た海に
きみを連れて行ってあげよう
この広い世界の
どこへでも
きみを連れて行ってあげよう
紺碧の空とその水面との間に
全てを詰め込んで置いてきた
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