房の中/石田とわ
 




     見る影もなく
     下垂の一途を
     たどっています
     この両の房の中にある
     喜びと寂寥、
     この歳になればそれはもう
     どちらも同じ
     寂寥なくば喜びもなく
     喜びなくば寂寥もなし
     などと悟ったふりを
     してみたりする
     両の房の中ならば
     いつか萎びて癒えるだろう







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