房の中/
石田とわ
見る影もなく
下垂の一途を
たどっています
この両の房の中にある
喜びと寂寥、
この歳になればそれはもう
どちらも同じ
寂寥なくば喜びもなく
喜びなくば寂寥もなし
などと悟ったふりを
してみたりする
両の房の中ならば
いつか萎びて癒えるだろう
戻る
編
削
Point
(8)